コラム

明日にソナエル オフィスの防災

エレベーターの防災

「もしエレベーターに閉じ込められたら?」エレベーターの防災

2015年5月30日、小笠原諸島西方沖を震源とするM8.1の地震が発生しました。これは首都圏を震度5で揺らしただけでなく、震度1以上の揺れを日本全国にもらしました。首都圏においては公共交通機関が運休しただけでなく、約1万9000基のエレベーターが停止し14件の閉じ込めが報告され、閉じ込められた時間は30分以下9台、60分以下4台、90分以下1台でした。

エレベーターの防災

実はこの時、私はエレベーターに乗りこむところでしたが、電話をかける用事を思い出して事なきを得ました。さもなければ15件目としての報告事例となっていたでしょう。

もしそのときに乗っていたらどうしていたか、を想像してみました。まず非常ボタンを押して防災センターを呼び出し、救助を依頼します。ただ、エレベーターを動かせるのはメーカー等の安全点検を受けてからのはずなので、しばらくの間は待つことになるのでしょう。実際には最長約70分ということでした。

今回は件数が少なく、また停電もなかったため比較的スムーズな復旧が可能でしたが、それでも70分も掛かった所があったのです。そんな長時間エレベーターの中で待つなんて、私自身我慢できるかどうか怪しいものです。狭い室内、室温は上がる、照明は消える、スマートフォンがつながったとして自宅に電話連絡し、WEBとワンセグで情報収集するものの、あまりバッテリー残がない。暑さと緊張で汗ばんでおり少し水を飲みたい、トイレが気になる…さっき行っておけばよかった、等々。実際にはもっと大変な思いをしそうです。なにか使えるものがエレベーター内にあれば、もっと落ち着いて待てるのに…。

エレベーターの防災

日本のエレベーター制御技術は世界に誇れる素晴らしいものですので、技術を高めて閉じ込め被害を最小化していく、ということは今後進められていくでしょう。ただ、エレベーターは重力に抗う装置ですので、地震時に緊急停止が発生することは今後も避けられません。現実的に閉じ込めが皆無にならない以上、救助待ちは仕方ないとしても待つために多少アナログな対応があっても良いのではないかと思います。今回も国土交通省と関連団体で「大規模地震時のエレベーター対策に関する関係者連絡会議」を開き、「エレベーター内に水、食料などの備蓄検討も必要」という確認がされています。

日本は地震大国とはいえ、地域により地震の発生確率にはばらつきがあります。しかし今回の地震では震度は小さくても日本全国に影響を及ぼしています。また、エレベーターの停止、閉じ込めは地震以外にも起きています。

2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。世界中から来られるお客様は、東京だけでなく日本全国にも訪問されるでしょう。そうすれば必然的に海外の方のエレベーター利用者も増えます。日本のエレベーターに「おもてなしの心」をこめてお迎えしたいものです。

出典元:コクヨ株式会社 オフィスのチカラ